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2025.09.04

“人や地域のためにやってみたい”を叶える場所 「ベジンジャーズベジ」から見た「388 FARM MARCHE」

DESCRIPTION

スポーツを通じた社会課題解決を掲げ、全国で活動する株式会社トリデンテ代表の佐々木さん。元サッカー選手としての経験から「日本のスポーツの社会的地位を上げたい」という思いで2016年に会社を創業しました。そんな佐々木さんは「388 FARM MARCHE(ササハタハツファームマルシェ)」に「ベジンジャーズベジ」として出店。手探りで始めた野菜販売を通して「人とのつながり」の大切さを実感したといいます。マルシェは「“やってみたい”を肯定してくれる場所」と語る佐々木さんに、このコミュニティの魅力などについてお話を聞きました。

「388 FARM MARCHE(ササハタハツファームマルシェ)の開催レポートはこちら

取材・文:天田輔(ササハタハツまちラボ事務局/渋谷未来デザイン)

スポーツを通じて社会課題解決に挑む、トリデンテの活動

「私はもともとサッカー選手だったので、スポーツ界に恩返しというか、日本のスポーツの社会的地位を上げていこうと、この会社を立ち上げたんです。スポーツを通じて社会課題を解決できるオリジナルコンテンツを作り、社会実装しています」

佐々木さんが代表を務める株式会社トリデンテでは、たとえば、子どもたちの体力低下問題に対してパルクールの概念を取り入れた「パルクール鬼ごっこ」を開発。正しい体の動かし方を遊びの中で学ぶ機会を提供しています。

また、スポーツを楽しむ場所としての公園のあり方、指定管理についても新しい仕組みを構築するなど、先進的な取り組みを多様に展開しています。

「公園をスポーツに活用するために、地元のスポーツクラブやスポーツ人材を雇用しながら、私たちがノウハウとリソースを提供するかたちでプロデュースをする取り組みを行なっています。この新しい指定管理方法を年間で9つ程度のペースで全国の公園に実装し、社会実験場としても捉えながら、それぞれの市区町村の課題に合わせた仕組みを模索し続けています」

そうして全国の市区町村を舞台に「スポーツ」と「社会課題解決」を掛け合わせた取り組みを続けるトリデンテ。しかし“ササハタハツ”との関わりのきっかけは、意外にも「食」でした。

「やっぱり体を動かすことと『食』って、切っても切り離せないものなんですよね。たとえば運動後に摂取するのが動物性の食べ物と植物性の食べ物では吸収率が違うとか。また、スポーツ関連の取り組みで地方へ行くと、ご紹介いただいて農家の方たちのお話を聞く機会も実は多くて」

スポーツと食に関する思いから、トリデンテは渋谷でビーガンレストランも運営していることもあり、あるとき、農家の方から「ビーガンレストランで朝採り野菜の朝市を開催してほしい」と相談された佐々木さん。その矢先、以前から交流のあった渋谷未来デザインから『388 FARM β(ササハタハツファームベータ)(※『388 FARM MARCHE』の前身イベント)』への参加の話が舞い込んできました。

「ベジンジャーズベジ」誕生:マルシェでの試行錯誤と進化

「ぜひ一緒にチャレンジさせてほしい」と『388FARM β』への初回出店を決めたものの、当初は手探りの連続だったといいます。

「商品として野菜を取り扱うのは全くの初めてでした。つながりのあるいろんな農家さんに相談をしたら、ありがたいことにものすごい量の野菜が揃ってしまったり、野菜を売るといっても値付けの仕方がわからなかったり。初回は徹夜で出店準備に追われてましたね」

利益よりも「チャレンジすること」に重きを置いていた佐々木さんたちのお店『ベジンジャーズベジ』。その後2回目の出店ではキッチンカーを導入、自社のビーガンレストランのバーガーやミネストローネの提供を並行して開始しました。そして3回目の参加の頃には、野菜の価格設定もより手頃な2〜300円程度に落ち着いていったといいます。

またこの頃から、自然栽培で奮闘する農家を応援したいという気持ちが芽生え、仕入れる野菜の85%をオーガニックに、残りの15%をユニークな慣行栽培野菜にするという方針をとることに。

「自然栽培でがんばっている農家さんのところへ直接行って話を聞くと、やはり愛を持ってやっているんですよね。雑草取りも、何ヘクタールも手摘みでやっていたりするんです。そういうのを見たり、みなさんと触れ合っていると、応援したいなという気持ちになりますね」

『ベジンジャーズベジ』はその後全国で注目を集め、今ではほぼ毎週、全国のどこかで出店している状態にまで成長しています。また、マルシェで売れ残った野菜を子ども食堂に無償提供する仕組みを構築したりと、新しいチャレンジも続けられています。
渋谷・ササハタハツ発信の『ベジンジャーズベジ』の取り組みが、各地の社会課題解決とも結びつきながら、着実に全国へと波及しています。

いちばんの魅力は「人」:マルシェが育む温かいコミュニティ

マルシェへの継続的な関わりの中で、佐々木さんは「人と人とのつながり」の重要性を痛感しているといいます。

「ササハタハツエリアに住んでいるわけでも店を開いているわけでもなかったので、最初は、僕の勝手な思いかもしれませんが、地域の方たちとの温度差みたいなものを正直感じてしまっていました」

しかしコミュニケーションを重ねるにつれて、地域の方々からも理解と協力が得られるようになったといいます。

「コミュニケーションをしていくなかで、私たちがこの『べジンジャーズベジ』を経済的な観点だけでやっているわけではないことも理解してくださり、それが私たちのチャレンジであることも分かっていただけたと思っています。地域を一緒に盛り上げようという気持ちが共有できているのが、今はすごく嬉しいです」

特に印象的だったのは、同じくマルシェの出店者である「つながる菜園」とのコラボレーション。飾り付けから一緒に考えながら売り場を作った経験は、「コミュニティの一員にならせていただいた」という強い印象を残しているといいます。また、25年5月の『388 FARM MARCHE』が雨天により縮小開催となった際のエピソードも話してくれました。

「雨での縮小開催は、残念だった一方ですごく嬉しいことでもあったんです。雨でお客さんが少ない分、出店者同士でコミュニケーションが取れるじゃないですか。出店者のみなさんがうちのブースに来てくれたり、僕たちも行けたりして、いろいろとお話ができました。こういった関係をこれまで作ってこれたこともとても嬉しく感じています」

人と人のコミュニケーションを通じて関係を深めていけること、ひいては、豊かなコミュニティを形作る一助になれるということが、『388 FARM MARCHE』の大きな魅力だと佐々木さんは考えています。

また客観的に見ても、このコミュニティのいちばんの魅力は「人」であると佐々木さんは語ります。

「地域の人たちが、この場所をどうしていきたいかという思いがすごく大事ですよね。その思いを持つ人がそれを表現できる機会が『388 FARM MARCHE』だと思っています。しかもそれが身内で仲の良い人たちだけの閉じた輪ではなく、出店者を広く募集して毎回新しい人たちが来て、その人たちを受け入れていける。そしてお互いに何が良いのかをきちんと話し合っていける。そういうコミュニティをつくるのは、実はなかなか難しいと思うんです。だからすごいなって、ササハタハツを見ているといつもそう思います」

未来への展望:社会のために誰もが挑戦できる場に

今後のマルシェについて聞くと、佐々木さんは明確なビジョンを持っているといいます。

「前回のマルシェで『お仕事体験』の企画を提案しました。地元の子どもたちにマルシェの各ブースの仕事を体験してもらう内容でしたが、これを今後は実現させていきたいですね。もしかしたらそれを運営するのは全部子どもたちだけで、大人は横で見守っているくらいでもいいかもしれないとも思っています」
※『お仕事体験』は雨天のため中止

そしてもう一つの展望は、出店者同士の「横のつながりでのコラボレーション」の、さらなる深化。

「せっかくこれだけの人たちが集まっているので、ブース同士でコラボしていくような形はもっとやっていきたいです。そうすると、地域のつながりがより広がってくると思います」

また佐々木さんは、このマルシェが「自分たちが面白いと思うことで、かつ、人のために何かしたいなと思うことに挑戦できる場所」だと語ります。

「自分のやりたいことで、やったら社会が良くなると思うことを、実際にやってみることができる場所です。自分が思う“やりたいこと”を、伝えて、知ってもらって、応援してもらうところにまでつながっていく。共感して助けてくれる、肯定が根本にあるコミュニティだと感じています。自分が社会のためにやりたいことを積極的に発信すると、いろんな人の観点を得てより大きくなっていく、そういう意味でとても魅力的な場だと思います」

自身と地域社会のために何かアクションを起こしたい、そんな思いを実現できるのがササハタハツのコミュニティであり、このマルシェなのかもしれません。そうした可能性に満ちた場所として今後も進化を遂げていくことは、この場に関わる多くの人たちの願いでもあるでしょう。

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