2025.04.03
2024年度 ササハピゼミレポート

DESCRIPTION
「自分が楽しく、他の誰かにとっても居心地の良い、みんなが笑顔になる活動」を考え実際にやってみる、少人数制ワークショップ「ササハピゼミ」を2024年8月から12月まで全5回開催しました。
「地域での活動に関心はあるけどまだやったことがない」「身近な地域で顔見知りを作りたい」と考えている方16名にご参加いただき、全5回の活動の模様をレポートします。
<2024年度 ササハピゼミ>
第一回 「やってみたいことを共有する」
第二回 「地域活動をのぞいてみる」
第三回 「アイデアを形にしてみる」
第四回 「実際にやってみる」
第五回 「やってみたことをふりかえる」
第一回ササハピゼミ 開催レポート
「自分が楽しく、他の誰かにとっても居心地の良い、みんなが笑顔になる活動」を考え実際にやってみる、少人数制ワークショップ「ササハピゼミ」の第一回を2024年8月27日に開催しました。

開催概要
日時: 2024年8月27日(火)18時~20時20分
場所: 笹塚駅前区民施設
内容:地域活動のモデルケース紹介、地域活動のアイデア出し、活動グループ決め
初回である第一回ササハピゼミでは、参加者の方に向けた導入講義として、地域活動の経験者である「ありがとうプロジェクト」海上亜耶さんと東京都市大学都市生活学部教授の坂倉杏介先生にお話を伺いました。
モデルケース紹介
「ありがとうプロジェクト」海上さん
現在、第四期ササハピ認定プロジェクトである「ありがとうプロジェクト」で活動している海上さんに、地域活動のきっかけや想い、今後の展望についてお話しいただきました。

活動を続けるにあたって「楽しい具体的な活動であること」「立場や意見の違いにはポジティブに向き合うこと」「個人のペースを大事にすること」「街に出ること」を大事にしており、今後も面白い企画を検討しているので、是非みなさんも参加してください、と話してくれました。
坂倉杏介先生からは、尾山台「おやまちプロジェクト」の事例や、まちづくりの本質などを共有頂きました。

「おやまちプロジェクト」は街の課題解決ではなく「自分の好き・やりたいこと」を軸に、普段出会う機会のない人とやりたいことを実現しながら、暮らし心地を変えるプロジェクト。商店街のホコ天時間を使った大学ゼミ、小学校との連携ワークショップ、バー、カードゲーム、パン販売など、様々な活動が行われている。
まちづくりの本質は、建物の話だけでなく自分たちの心や体から環境まで、自分たちで整えていけるところは整える、という点である。小さいことでも自分がやってみたいことを、みんなが見えるところでやっていくと、それが積み重なって街が変わるとお話いただきました。
グループづくり
初回の今回は、参加者一人ひとりの自己紹介と海上さんと坂倉先生のお話をきいた感想を話し合いました。

ササハピゼミへの期待や関心のあるテーマを共有し、やってみたいことや関心のあるテーマを出し合い、直感で参加者が興味関心があるグループに分かれました。
初回にも関わらず活発に参加者同士が交流している姿に、参加者一人ひとりの個性や興味関心が活かされ、より良い地域活動に繋がることが期待されます。
ありがとうプロジェクト YouTube
おやまちプロジェクト HP
第二回ササハピゼミ 開催レポート
「自分が楽しく、他の誰かにとっても居心地の良い、みんなが笑顔になる活動」を考え実際にやってみる、少人数制ワークショップ「ササハピゼミ」。第二回の今回は、活動のヒントを見つけるため、各地で活動している地域イベントにお邪魔しました。

つながる菜園
日時: 2024年9月14日(土)
場所: 初台第二児童遊園地「つながるガーデン」
「つながる菜園」は、渋谷区のササハタハツエリアの公立小学校の中に学習菜園をつくり運営・サポートすると共に町と繋げていくプロジェクト。全ての子供たちに平等な居場所づくり、生きた学びの場づくりを目指しており、今回は毎月一回学校菜園向かいの公園内花壇「つながるガーデン」で行っているガーデンワークと青空カフェにお邪魔しました。


ガーデンワークのあとの青空カフェ。活動のきっかけなどお話いただきました。
つながる菜園 インスタグラム
ありがとうプロジェクト あひるちゃんレース
開催日: 2024年9月14日(土)
場所: 玉川上水旧水路初台緑道
第一回のササハピゼミでご登壇いただいた海上さんが主宰する「ありがとうプロジェクト」が企画したアヒルちゃんレース。たくさんの地元の方々があつまり、親子一緒にレースを楽しみました。



その他、笹塚けやき広場マルシェやあつまると笹塚にも訪問し、地域活動の理解を深めました。
第三回ササハピゼミ 開催レポート
「自分が楽しく、他の誰かにとっても居心地の良い、みんなが笑顔になる活動」を考え実際にやってみる、少人数制ワークショップ「ササハピゼミ」の第三回を2024年10月11日に開催しました。
開催概要
日時:2024年10月11日(金)18:30〜20:20
場所: 笹塚駅前区民施設
内容:第一回、第二回のササハピゼミの振り返り、活動内容の相談

まずは今までの活動の振り返りを行い、今回はゼミの参加者がどんなことをしていきたいかを相談。

「身近な場所で自分が楽しむ」を基本に、他の人も嬉しいと感じる企画を具体的な企画にまとめました。
①笹塚十号のいえチーム ②初台緑道チーム ③せせらぎ冒険あそび場チームと、活動場所を基に3チームに分かれて話し合いを行いました。
①の笹塚十号の家チームでは、「親子、大人一人でも参加できること」「笹塚十号のいえの普段の活動内容と違和感のないことをやってみる」 を二軸に考え、十号通りマップ やハンドマッサージ、トランプ大会、血圧測定など多様なアイデアが出ました。

②初台緑道チームでは、11月23日(土)に行われる 388FARM MARCHEに併せて、生物の先生に協力いただく自然豊かな緑道での生き物観察ツアーや、懐かしの遊び絵日記などのアイデアが出ました。

③せせらぎ冒険あそび場チームは、せせらぎ冒険あそび場で活動している小水さんにもお話を伺い、かまどづくりや炭で色々な芋を焼くことを企画し、 子どもや親子で参加出来るイベントを企画しました。

笹塚十号のいえ インスタグラム
せせらぎ冒険あそび場 インスタグラム
第四回ササハピゼミ 開催レポート
「自分が楽しく、他の誰かにとっても居心地の良い、みんなが笑顔になる活動」を考え実際にやってみる、少人数制ワークショップ「ササハピゼミ」の第四回を2024年11月9日、17日、23日の三日間に分かれて開催しました。
①初台緑道グループ
開催日:2024年11月9日(土)
場所: 玉川旧水路緑道
内容:「緑道観察ツアー」緑道での樹木や野鳥の観察ツアー




午前午後の二回ツアーを開催し、子どもを含めた合計20名超の方々がツアーに参加しました。チラシを⾒て参加した方もいれば、当⽇同時開催のFARMMARCHEに参加している⼦どもたちの飛び入り参加もあり、楽しく樹木や野鳥の観察を行いました。
西原にお住まいの生物の先生を中心に樹木や野鳥の解説をしていただき、学びも得たツアーとなりました。
②せせらぎ冒険あそび場グループ
開催日:2024年11月17日(日)
場所: 渋谷区スポーツセンター子ども広場
内容:やきいも体験


夕方が近づくとより盛況となり、拠点の外に椅子と机を出して折り紙やワークショップを行いました。

せせらぎ冒険あそび場と連携をした焼き芋イベントを開催しました。
さつまいもだけではなくジャガイモも用意しお芋のバラエティーを増やしたり、煙が出ないように枯れ葉ではなく炭で⽕を起こしたり。親子で楽しめる工夫を凝らした企画となりました。
同日、隣のスポーツセンターではスポーツイベントが開催されていたため、イベント帰りに立ち寄ってくださる方も多く、100名弱程の親子の方がやきいもを体験しました。




③笹塚十号のいえグループ
開催日:2024年11月23日(土)
場所: 笹塚十号のいえ
内容:みんなの商店街お宝マップ作り、トランプ大会、血圧測定、手芸、ハンドマッサージ、折り紙など

渋谷区の笹塚十号通り商店街にある「笹塚十号のいえ」は、複数の民間団体が協働して運営する地域福祉拠点であり、「屋根のある公園」をコンセプトに、地域に暮らす人が自由に休憩ができる場を提供するほか、福祉作業所の商品販売、生涯学習企画、学生ボランティアなどの活動拠点としても活用されています。
今回は、「笹塚十号のいえの普段の活動内容と違和感のないことをやってみる」と決めてワークショップを中心に立ち寄った方と交流をしました。


ササハタハツにちなんだオリジナルトランプを作成し、新しい発見をしながらトランプを楽しみました。
第五回ササハピゼミ 開催レポート
「自分が楽しく、他の誰かにとっても居心地の良い、みんなが笑顔になる活動」を考え実際にやってみる、少人数制ワークショップ「ササハピゼミ」の第五回を2024年12月6日に開催しました。

開催概要
日時:2024年12月6日(金)18:30〜20:20
場所: 笹塚駅前区民施設
内容:ゼミの振り返り、準備から開催までやってみて分かったこと、気づいたことの共有
最終回の第五回は、「準備」「開催」それぞれについて、良かったこと、難しかったこと、もう少し工夫出来たら良かったことなどをグループ別に話し合い発表。坂倉先生、紫牟田さんからコメントをいただきました。
①笹塚十号のいえグループ「みんなの商店街お宝マップを作ろう!」

②初台緑道グループ「緑道観察ツアー」

③せせらぎ冒険あそび場グループ「やきいも体験」

ゼミの参加者からは、
「仕事ではなく、地域で継続してできる活動をしてみたいと思っていたので、今回は良いきっかけになった」
「集客⼈数の多さではなく、⼈と⼈とのつながりが⽣まれることが⼤事だと思った」
「ゼミの回数を更に増やして、企画内容の打ち合わせや参加者同⼠の理解や交流を深めたい」など様々な意見があがりました。
総評
最後に、ササハピゼミ第一回にもご登壇いただいた坂倉先生と、渋谷区が発行する「渋カツナビ」の編集や「シビックプライド」に関する著書を出版はじめ、地域のまちづくりプロジェクトに携わる編集家の紫牟田伸子さんに総評をいただきました。

坂倉先生総評(写真右)
活動の継続を期待しつつ、活動を通じて何が起こったのか、参加した方が何を得たのかというアウトカム(成果)が大事。「〜なことをやりました」というアウトプットの報告だけではなく、「例えば焼き芋を配った結果何が起こったのか?」のように活動を通して何が起きたのかという考察が重要だと述べ、目に見えない心の充実感や人との繋がりを最大化するための工夫を考えることで、活動が継続しやすくなるとアドバイスいただきました。
紫牟⽥さん総評(写真左)
一度に多くのイベントを開催することの困難さに触れ、定期的に人々が出会えるような機会が生まれることへの期待を示され、ゼミに参加した方々の活動から温かく素敵な街の様子が伝わってきたとお話しいただきました。
全五回のササハピゼミを通して、参加者の皆様からは、地域活動への熱意や人と人との繋がりを大切にしたいという想いが強く感じられました。このササハピゼミが、地域での活動を始めるきっかけとなり、それぞれの「自分の好きなこと」を実現する一助となれば幸いです。
最後に、ご協力いただいた坂倉先生、紫牟田さん、地域団体の皆様、そして積極的に参加してくださったササハピゼミ受講生の皆様、本当にありがとうございました。